2022/02/01

The Business of Expertise: Tight positioning serves up similar scenarios

前回に引き続き、David C. Baker著、The Business of Expertiseについて理解したことをまとめていく。

前回は、Pattern Matchingでexpertiseが培われる的な話であった。Pattern Matchingの話には続きがあって、この本で書かれているのは以下のようなこと。

  • A: 類似した機会がPattern Matchingを可能にする
  • B: 正しいPositioningがパターンを見えやすくする

これは何を言っているのか。

仕事以外の例

Positioningってどういうこと?としばらく分からなかったのだけれども、これはマーケティング用語っぽかった。それは置いておくとして、このABを、例えば虫捕りで例えるとこういうことかと理解した。

  • A: 家の近くの草むらにバッタがたくさん居ると、バッタに詳しくなる
  • B: バッタがたくさんいる草むらの近くに引っ越すと、バッタをたくさん見るようになる

あと、例えば音楽を聴くので、テクノに詳しくなるみたいな例でいうと。

  • A: テクノばかり聴いていると、どういう音楽がテクノと呼ばれているか分かるようになる
  • B: 家の近くにテクノミュージック中心のレコード屋があると、テクノばかり聴くようになる

仕事でどう考える

これが仕事……というかビジネスだとどう考えたらいいのか。

例えば、「不動産業界に詳しいWeb屋」というのを考える。不動産関連のクライアントと多く仕事をしていれば、自然と不動産のことも詳しくなっていくはず。これがAの

類似した機会がPattern Matchingを可能にする

ということ。でも、多くの人は不動産関連の仕事なんて相談されないかと思う。だから、このAを可能にするのは、もしかしたらそういうチャンスがあったからかもしれない。ただ、仮にそういうチャンスが微塵でもあったとしても、次のBを意識しないとなかなか形にはならないということかと思われた。そのBというのは……

正しいPositioningがパターンを見えやすくする

ということで、これは仕事で言えば、「ウチは不動産専門でWebをやってます」と宣言することに違いない。まぁこれは事実を書いているんですが。というかフツーに仕事でお付き合いがあるクライアントだとか、自分の周りでも、うまくいっているのって結構こういうパターンっぽい気がする。

Gatsby屋

ところで私、「Gatsby屋」っていう商売を初めたんですよ。そう、このサイトはGatsbyというフレームワークで作られてるんですが。これが現状のWeb開発の色んなことを解決できることに気付きましてね。でもこれ結構知識が必要なんです。

だからこれからはGatsby一本でやっていくことにしたんですよね。ああそう、色んな所が「ウチもGatsbyはできますよ」っていうかもしれないんですけど、たぶんウチほど突っ込んでやっているところは無いと思うんで、まぁ機会があれば相談にのりますよ。

……というのはフィクションなんですが、仮にそういう宣言して、Gatsbyが問題を解決するようなケースを繰り返していき、「ウチはGatsby専門」と言い続け、そういう仕事だけを選んで請けるようにしていけば、Gatsbyで解決できそうな話が持ちかけられやすくなる…… というようなことを、多分この本では言っている。

これを虫捕りの話に戻せば、バッタに詳しくなりたければ、バッタのいる草むらの近くに意識して引っ越せ。テクノで言えば、テクノのレコード置いてるレコード屋の近くに引っ越せ。ってことになる。そう。ビジネスでもそうするといいんじゃないのということ。

そしてこの本では、観察をすることでPatternが見えやすくなる。そうして考えたこと/見つけたことを、誰かと話すしたり、何か書いたり、人にアドバイスしたりする際に使えと言っている。

そう、そうやってブログなりどこかで話したり、普通に仕事で「あ、それならウチでそういうケースでうまく解決できたことがあるので、お手伝いできますよ。その時は……」などというのを繰り返せと、まぁそういうことなんだなー。